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コーティング 専門店選びガイド

車のコーティングは撥水・疎水・親水のどれがいい?違いと汚れやすさを比較

車のコーティングには、撥水・疎水・親水の3タイプがあり、それぞれ水の弾き方や流れ方が異なります。

一般的には、親水コーティングは水が膜状に引くため水ジミを防ぎやすく、撥水コーティングは水玉が残るためシミができやすいとされています。

しかし、自動車コーティングは、メーカーが掲げるキャッチコピーどおりの結果になるとは限りません。実際の車は、雨量や気温、駐車環境、ボディに付着した汚れなど、さまざまな影響を受けるためです。

本記事では、日本最大級の海外カーケア専門店arinomama(ありのまま)が、撥水・疎水・親水コーティングを実車で比較。水の挙動や汚れの残り方を検証し、実際の結果をもとに、それぞれの違いと車のコーティングに適したタイプを詳しく解説します。

撥水・疎水・親水コーティングの違い

車のコーティングは、水滴と塗装面が接する角度である「接触角」によって、撥水・疎水・親水に分類されます。学術的な定義と自動車コーティング業界で使われる基準は必ずしも同じではありませんが、自動車コーティングでは一般的に、親水は40度以下、疎水は40〜90度、撥水は90度以上と表現されることが多いです。

撥水コーティングは、水滴が丸く盛り上がるのが特徴で、水玉が転がるような見え方になります。疎水コーティングは、その中間的な性質を持ち、水がややまとまりながら流れていきます。親水コーティングは、水が塗装面になじみやすく、まとまった水をかけた場合には水膜状に広がる性質があります。

一般的には、親水は水が引きやすく水ジミを防ぎやすい、撥水は水玉が残るためシミができやすい、と説明されることが多くあります。しかし、ここで注意したいのは、これらはあくまで理論的な分類だということです。

実際の車は屋外で使用され、塗装面にかかる水の多くはホースで一気に流す大量の水ではなく、一粒ずつ落ちてくる雨です。そのため、親水や疎水コーティングであっても、実際の雨では理論どおりにきれいな水膜にはならず、水滴として残ります。ここに、理論上の性能と、実際の使用環境における結果の違いが生まれます。

実際の雨では水の挙動がどう変わる?

コーティングの説明では、ボディにまとまった水をかけて、撥水・疎水・親水の違いを見せることがよくあります。

たしかにこの方法では、水がどのように広がるか、あるいは水滴になるかが分かりやすく、各タイプの特徴も確認しやすくなります。

しかし、実際の雨はこのような条件とは異なります。

雨は一度にまとまった量の水が流れるのではなく、小さな雨粒が断続的にボディへ付着します。そのため、まとまった水をかけたときには水膜状に広がる親水コーティングでも、実際の雨で水がシート状に張り付き、そのまま均一に引いていくわけではありません。

親水タイプは「水が膜のように広がる」と説明されることが多いものの、実際の雨では水膜を形成するだけの水量がありません。そのため、撥水タイプのような丸く整った水玉ではなく、潰れたような不規則な水滴が形成されます。

つまり、コーティングの性能を見るうえでは、まとまった水をかけたときの見え方だけでなく、実際の雨に近い状況で水がどのような形で残るのかを確認することが重要です。

そこで今回は、親水コーティングを施工した同一車両を使用し、まとまった水をかけた場合と、実際の雨を再現して細かな水滴をかけた場合で、水の挙動がどのように変わるのかを比較検証しました。

まとまった水をかけた場合|親水コーティングは、水膜状に広がります
実際の雨の場合|親水コーティングでも水膜にはならず、潰れたような不規則な水滴として残ります

雨ジミと汚れが発生する仕組み

車の汚れや雨ジミは、基本的にボディに残った水が乾燥することで発生します。

雨水そのものには、洗車に使う水道水のようなミネラル成分がほとんど含まれていません。そのため、汚れていないボディに雨水だけが付着して乾いたとしても、それだけで頑固なシミにはなりません。

問題は、ボディに汚れが付着した状態で雨に濡れることです。

雨によって汚れが水に混ざり、その水がボディに残ったまま乾燥すると、水分だけが蒸発し、含まれていた汚れが塗装面に残ります。これが、雨上がりに見られる斑点状の汚れの原因です。

汚れが付着したボディに純水(雨水も同様)をかけ、そのまま自然乾燥させた状態
ミネラルを含まない純水でも、汚れを含んだまま乾燥するとシミが残ります

つまり、車の汚れは水が起点になって発生することが多く、汚れにくさを考えるうえでは、ボディに水をどれだけ滞留させないかが重要です。

ここで注意したいのは、水滴が丸いか、潰れているかだけで、雨ジミや汚れやすさが決まるわけではないことです。重要なのは、その水が塗装面にとどまり続けるのか、それとも流れ落ちるのかという点です。

親水コーティングは、まとまった水をかければ水膜状に広がります。しかし、前述したように、実際の雨では均一な水膜にはならず、潰れたような水滴としてボディに残ります。その水が塗装面に滞留すれば、乾燥後には汚れが残ります。

一方、撥水コーティングは、水を小さくまとまった水滴にしやすいため、ボディの傾斜や走行風によって転がり落ちやすくなります。

そのため、撥水・疎水・親水のなかで、最もボディに水を滞留させにくいのは撥水タイプです。

実際に水の滞留が汚れ方にどのような差を生むのかを確認するため、同一車両のボンネットを3区画に分け、撥水・疎水・親水コーティングを施工して屋外で経過を比較しました。

屋外にて3週間経過後の様子|中央の撥水施工面は、疎水・親水施工面よりも汚れの付着が明らかに少ない結果に

汚れにくさを左右する滑落角と自浄効果

撥水コーティングは、水滴が丸くなるのが特徴です。

しかし、水滴が丸くても、必ずしも流れ落ちやすいとは限りません。水滴が動きにくければ、撥水していてもボディに残ります。

そこで重要になるのが「滑落角」です。

滑落角とは、水滴を載せた面を傾けたときに、水滴が動き始める角度のことです。

滑落角が小さいコーティングは、わずかな傾斜でも水滴が動きます。反対に、滑落角が大きいコーティングは、より大きく傾けなければ水滴が動きません。

つまり、

接触角は水滴の形

滑落角は水滴の動きやすさ

を示します。

一般的には、親水・疎水タイプと比べて、撥水タイプは水滴がまとまりやすく、低い傾斜でも転がり落ちやすい傾向があります。この違いは、先ほど紹介したボンネットの汚れ比較にも表れており、撥水施工面は疎水・親水施工面よりも汚れの付着が少ない結果となりました。

ただし、さらに詳しく見ると、同じ撥水タイプでも、水滴の動きやすさはコーティングの種類によって大きく異なります。水滴がきれいに丸くなっていても表面にとどまりやすいものもあれば、わずかな傾斜で転がり落ちるものもあります。

車のボンネットやルーフには緩やかな傾斜があり、走行中には風も当たります。そのため、滑落角が小さいコーティングほど、水滴が流れ落ちやすく、ボディに水が残りにくくなります。

また、水滴が流れる際には、表面に付着した軽い砂ぼこりや汚れを取り込みながら移動します。このように、水の動きによって汚れが流れ落ちる働きを「自浄効果」といいます。

そのため、汚れにくいコーティングを選ぶうえでは、単に水滴が丸くなるかだけでなく、少ない傾斜で水滴が動き、汚れと一緒に流れ落ちるかが重要です。

撥水により水玉が汚れを包み込む
そして転がり落ちることで自浄効果が得られます

撥水・疎水・親水はどれを選ぶべき?

arinomamaでは、2019年の事業開始以来、さまざまなコーティングを実車に施工し、水の挙動や汚れの付着、艶、耐久性について継続的に検証してきました。

その中で撥水・疎水・親水を比較してきた結果、実際の使用環境で最も水が滞留しにくく、汚れの付着を抑えやすかったのは撥水コーティングです。

実際に、ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界のカーディテイリング業界を牽引するメーカーでも、高撥水で少ない傾斜で水滴が動き、ボディに水や汚れを残しにくいコーティングの研究開発が進められています。

自動車コーティングは、雨量や気温、日射、砂ぼこり、駐車環境など、さまざまな外的要因の影響を受けます。メーカーがどれだけ魅力的なキャッチコピーを掲げていても、理論どおりになるとは限りません。

大切なのは、理論上どうなるかではなく、実際の車でどのような違いが現れたかです。

現在arinomamaでは、これまでの検証結果をもとに、実際の使用環境で汚れにくさを実感できる撥水コーティングを厳選してラインナップしています。

高品質なコーティングや、信頼できる専門店をお探しの方は、ぜひ以下よりご覧ください。

まとめ

撥水・疎水・親水コーティングは、接触角によって水滴の形が異なります。しかし、実際の雨では、親水コーティングでも水が均一な膜状に引くわけではなく、潰れたような水滴としてボディに残ります。

車の汚れや雨ジミを抑えるうえで重要なのは、水滴の形ではなく、ボディに水を滞留させないことです。

これまでの実車検証から、撥水・疎水・親水のなかで、最も水が残りにくく、汚れにくいのは撥水コーティングです。

ただし、撥水コーティングでも性能には差があります。選ぶ際は接触角の高さだけでなく、滑落角が小さく、少ない傾斜でも水滴が動くかを確認することが重要です。

筆者

佐久間 陽平|株式会社insieme 代表取締役

2019年より海外カーケアブランドの正規輸入事業を開始。
現在はヨーロッパを中心に20以上のブランドを取り扱う、日本最大級の海外カーケア通販サイト「arinomama(ありのまま)」を運営。

ドイツ・イギリス・スウェーデンなどの最新カーケア製品・技術を日本市場へ導入し、製品選定・検証・販売まで一貫して手掛ける。

東京都内でカーディテイリング専門店も運営し、施工現場で得た一次情報をもとに、コーティング・洗車・メンテナンスに関する実践的な情報を発信。

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