Interview ドライアイスブラスト(ドライアイス洗浄)導入事例|ドライアイスエナジー
“水を使わない、素材を傷めない”。
PPF×ディテイリングの現場が選んだ最適解
craftech.(クラフテック)代表取締役 横山 祐樹
導入の決め手は、革新性と仕上がりの確かさ
craftech.(クラフテック)は、ハイエンドのPPF・カーコーティング専門店として、スーパーカーやクラシックカーなどの高級車の入庫が多く、細部まで徹底したディテイリングに日々向き合ってきた。
しかし、特殊な形状の車両も多く、ディテイリングブラシが届かない箇所や、未塗装樹脂・ゴム・アルミパーツといったデリケートな素材では、ケミカルや物理的に擦る行為がリスクとなっていた。
近年はSNSの普及によるカーディテイリング技術の大衆化が進み、専門店も急増した。その一方で、他店での“ケミカルの使用ミス”を経験した顧客が、ケミカルの使用そのものを嫌うケースも増えていたのである。
「水を使わず、素材を傷めず、細部まで安全に汚れを落とせる方法はないか」――そう模索する中で、アメリカで開催される世界最大の自動車アフターマーケットイベント「SEMA Show」にて最新情報を収集する過程で、Dry Ice Energy(ドライアイスエナジー)に出会うこととなった。
その後、ドライアイスエナジージャパンが誕生し、実際のデモンストレーションでドライアイスブラストの効果を体感。従来の洗浄では成し得なかった仕上がりを確認し、導入を決断するに至った。
比較対象として重曹ブラストも検討したが、水を用いる点が大きな懸念であった。デリケートな車両のエンジンルームや電装系において“水を使用しない”ことを貫ける点、さらに洗浄後の飛散が少なく施工箇所や素材を選ばない点が決め手となった。
初期費用だけを見れば重曹ブラストの方が安価であった。しかし、craftech.(クラフテック)の顧客層や取り扱う車両の価値を考慮すれば、最適解はドライアイスブラストであると確信したのである。
ドライアイスエナジーの優位性
craftech.がドライアイスエナジーを選んだ理由の一つは、その確かな実績であった。輸入車の施工が多い同社にとって、アウディ、フォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェといった欧州の名門ディーラーが正規に採用しているという事実は大きな信頼の裏付けとなった。
さらに、海外の著名なディテイリングショップでの導入事例も豊富であり、国際的に認められた技術であることが決定打となったのである。
実際に、craftech.の顧客にも欧州車オーナーが多く、同じ立場に立って考えたときに最適であると確信できた。
そして、日本で流通している他社製のドライアイス洗浄機もいくつかテストを行ったが、その中でもドライアイスエナジーは圧倒的な洗浄力を示し、効率的に作業が進められると実感できた。
環境面でも優位性は際立っていた。水や化学薬品を一切使用せず、廃液が発生しないため、顧客の車両だけでなく施工環境そのものも清浄に保つことができる。
さらに、ドライアイスエナジーは国際的にも高く評価されており、WORLD TOOL AWARDSを受賞するなど、その革新性と品質は折り紙つきである。BOSCHやドイツ鉄道といった異業種のトップブランドにも採用されていることは、耐久性と信頼性の高さを証明している。
さらに、その性能を支えているのがドライアイス洗浄(ドライアイスブラスト)ならではのメカニズムである。
この技術は、物理的衝撃 ― 高速で吹き付けられたドライアイス粒子が汚れを叩き割る。冷却&収縮効果 ― -79℃の極低温が汚れを急速に冷却・収縮させ、対象物との付着力を弱める。昇華膨張効果 ― 固体のドライアイスが気化する際に体積が急膨張し、汚れを母材から剥離させる。
この三つの作用が同時に働くことで、水も薬剤も使わずに非破壊で高精度な洗浄を実現しているのである。
craftech.にとって、これらの実績と性能は単なる洗浄機の選択肢にとどまらず、顧客の信頼を守るために不可欠なパートナーとなったのである。
細部で違いが出る、ドライアイス洗浄の実力
craftech.が効果を最も実感したのは、従来の方法では対応に限界があった細部の洗浄であった。
エンジンルームや樹脂パーツ、さらにはフロントグリル奥などは、これまでもケミカルとブラシを駆使して丁寧に作業してきたが、物理的に擦らざるを得ず、素材への負担が避けられなかった。
ドライアイス洗浄であれば傷の心配なく安全に施工でき、仕上がりは格段に向上したのである。
また、窓ガラスと塗装のわずかな隙間など、手作業ではどうしても届きにくい領域においてもその力を発揮した。
PPF施工の現場では、ヘッドライトやテールレンズを外すと電装系が密集しているため、水を使う洗浄はリスクを伴う。そこで水を一切使わず、安全かつ確実に汚れを落とせるドライアイス洗浄は、craftech.にとって、これはまさに理想的なソリューションとなったのである。
スタッフからの評価も高かった。従来のケミカル洗浄では素材との相性を常に意識する必要があったが、ドライアイスブラストはその制約を大きく軽減した。
操作方法を習得すれば、熟練スタッフに匹敵するレベルで安定した仕上がりを実現できる点は、現場にとって大きな強みとなった。
さらに、水を使わないことによる利点も見逃せない。従来の洗浄では、濡れた状態では汚れの残存を正確に見極めることが難しく、仕上がりを確認するためには乾燥を待たねばならなかった。
ドライアイス洗浄であれば対象を濡らさずに処理できるため、その場で仕上がりを正確に判断できるのである。
もちろん、すべての汚れがドライアイス洗浄で完全に除去できるわけではない。
しかし、まずドライアイスで安全に落とせる汚れを取り除き、その後に必要最小限のケミカル洗浄を組み合わせることで、素材に負担をかけず効率的に仕上げることが可能となった。
「ここまで綺麗になるのか」─リピートを生む、顧客体験
導入後、顧客からの反応は想像以上に大きなものであった。
ドライアイスブラストは、日本ではまだ普及していない最新の洗浄技術という新鮮さに加え、水を一切使わずに汚れを落とす仕組みは直感的に理解しやすく、安心感を与えた。
さらに、ドライアイスが気化して跡を残さないという特性も評価され、満足度の高さに直結したのである。
特に反響が大きかったのは、樹脂パーツやゴムモール、さらには車内のドリンクホルダー周辺といった細部であった。
従来は仕上げに時間を要していた箇所が「ここまで綺麗になるのか」「ここまでしてもらえるのか」と顧客を驚かせ、その声はリピートへとつながっている。
実際に施工を体験した顧客からは、次回の納車時にも同様のサービスを指名するケースが増加している。
また、長年大切に乗り続けている愛車を持つ顧客にとっても、ドライアイス洗浄は高い評価を得ている。
素材に負担をかけることなく仕上がりを向上できるため、「納車時に抱いた愛着や感動を取り戻せる」との声も多く寄せられ、結果として顧客満足度の向上に直結している。
さらに、craftech.が従来から提供してきたバイクのコーティングやPPF施工においても、下地処理の精度が高まることで全体のクオリティが底上げされた。
ドライアイスブラストの導入は、新たなサービスを生み出すだけでなく、既存のサービス価値そのものを引き上げる効果をもたらしたのである。
品質を高め、信頼を積み重ねるこれから
craftech.がドライアイス洗浄を導入した目的は、施工費用の引き上げではなく、あくまで施工クオリティと顧客満足度の向上にあった。
そのため同社では、オプションサービスとして追加するのではなく、日々の標準的な施工プロセスに組み込み、品質の底上げを図っている。
操作性がシンプルであることも大きな利点であり、従業員の育成においても効率的に技術を習得でき、常に安定した仕上がりを実現できる体制が整ったのである。
さらに、ブランディングの観点からも効果は大きい。
近隣はもちろん、九州エリアにおいてもドライアイス洗浄機を導入しているディテイリングショップはほとんど存在せず、「ここでしか体験できないサービス」として差別化に直結している。
craftech.は今後もこの優位性を活かし、施工品質をさらに高めることで顧客からの信頼を積み重ね、唯一無二の存在であり続けることを目指している。
Shop Information
“仕上がり”を起点に進化する、唯一無二のPPF施工
2009年、当時20歳で九州のカーコーティング専門店に入社した横山氏は、最前線の現場で施工技術を磨き、経験を積み重ねてきた。2013年、国内ではカーラッピングが全盛期を迎えていたが、その一方でPPF(ペイントプロテクションフィルム)はまだ十分に普及していなかった。その状況下で横山氏はいち早くPPF市場に参入し、2014年に「craftech.」として独立を果たした。
同社の特徴は、単なるラッピングやPPF施工店とは異なり、カーディテイリングの現場で培った“仕上がりへの徹底したこだわり”を基盤としている点にある。単にフィルムを貼るのではなく、美観と保護を両立させる施工を実現できることが、craftech.最大の強みである。
近年では、カーコーティング専門店がPPF施工をメニューに加えるケースも増えているが、その多くは外注に頼るのが実情である。対してcraftech.は、カーコーティングとPPF双方において長年のノウハウを持ち、全工程を自社で完結できる数少ない存在である。この体制こそが“唯一無二の施工”を支える根幹となっている。
さらに、横山氏は積極的に海外のPPFメーカーにも足を運び、直接意見交換を重ねてきた。施工現場で培ったノウハウをもとに製品開発に携わることもあり、まだ市場に出ていない試作品を含め20社以上のフィルムを比較検証し、常に改善を重ねるテストインストーラーとしての役割も担っている。そうした姿勢が、craftech.を“仕上がりを起点に進化し続けるプロフェッショナル”として位置づけているのである。